政治に巻き込まれるディズニー!今後「ディズニーワールド」でなくなる可能性が?
子供たちにホモやゲイについて教えるな
米共和党の牙城、南部フロリダ州がLGBTQ(性的少数者)を児童に教えるか否かをめぐって、ディズニーを巻き込んでカオス状態に突入した。
次期大統領候補を虎視眈々と狙っているトランプ派のロン・デサンティス現職知事(共和党)と「ドル箱」のウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートが激突したからだ。
一地方自治体とテーマパーク巨人の対決の背景には、米国を分裂させている保守対リベラルの「カルチャー戦争」があり、共和党と民主党との政治対決がある。
10カ月後に迫った上下両院選、知事選、そして2年後の大統領選に向けた前哨戦の様相すら見せている。
ことの起こりは、同州上下両院*1が「幼稚園児から小学校3学年までLGBTQについては教えてはならない」という法案(通称「Don’t Say Gay」法)を可決成立、デサンティス氏がこれに即座に署名したことにある。
(https://www.nytimes.com/2022/03/28/us/desantis-florida-dont-say-gay-bill.html)
同氏はドナルド・トランプ前大統領支持の急先鋒だが、万一トランプ氏が再出馬しなければいつでも大統領候補に名乗りを上げる構えを見せている。
共和党支持者による世論調査でも次期共和党大統領候補の2位につけている。
*1=フロリダ州上院は共和党24、民主16、下院は共和78、民主42各議席で「共和党天下」だ。
ディズニー・ワールドの親会社、ディズニーのロバート・チャペック最高経営責任者(CEO)は州議会が同法案を審議しているさなか、以下のような社内メモをネット上で流した。
「こうした法案は審議すべきではない。わが社のLGBTQ社員および関係者に対する偏見・差別は絶対にあってはならない」
ディズニーの子供向けLGBTQアニメ
このメモに噛みついたのが、ディズニー・チャンネルの子供向け人気アニメ「The Owl House(アウルハウス)」の制作者、ダナ・テラスさん(31)。デイタイム・エミー賞を受賞した人気アニメ作家だ。
「The Owl House」は2020年8月から始まったアニメで、主人公はバイセクシャルの「ルース」。男の子であり、女の子でもある。米テレビが子供向け番組でLGBTQを扱うのはこれが初めてだ。
(https://variety.com/2020/tv/news/the-owl-house-disney-bisexual-character-lux-amity-1234736149/)
テラスさんは動画付きのツイッターを発信した。
「生ぬるいことばかり言わないで。こんなありきたりのメモを出しても意味がないわ。ディズニー社は、今回この法案に賛成した共和党議員たちに多額の政治資金を出しているじゃないですか」
このツイッターに同社内のLGBTQ社員やディズニー傘下のテレビ、映画で働くLGBTQたちが共鳴したからたまらない。
チャペック氏は直ちにデサンティス氏に同法の撤回を申し出た。
デサンティス氏も負けてはいない。
「わが州はカリフォルニアの企業のCEOや幹部にコントロールされているわけではい。わが州の行政はフロリダ州民の社会通念と利益最優先で行われている」
だが同氏、啖呵(たんか)は切ったものの、内心忸怩たるものがあるはずだ。
というのもディズニー・ワールドは年間収益170億ドルを稼ぎ、フロリダ州に年間7億8000万ドルの税金を納める「金の卵」だからだ。
だからこそ歴代知事はディズニー・ワールドを大切に扱ってきた。
後述するが、ディズニー・ワールドを「自治特別区」(Dependent special district)にしてきた。
フロリダ州は今回、その特権を剥奪する決定を下したのだ。実際に実施されるのは2023年6月からだ。
ディズニー・ワールドには、世界中から年間2100万人の観光客が訪れ、関連企業も含めると7万人の雇用を創造している。フロリダ州にしてみれば、「ディズニーさまさま」といっていい。
それだけではない。ディズニー・ワールドに追随して大手テーマパークのユニバーサル・スタジオ、シーワールド、レゴランドなどが、その周辺に次々と進出して「テーマパークのメッカ」を築き上げている。
ディズニーは、さらに2022年3月には新たに映画「スターウォーズ」をテーマにした豪華ホテルをオープン、5月には巨大なローラーコースター「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」を開業する。
荒れ地にウォルト・ディズニーの夢実現
ウォルト・ディズニー氏が生前、最後の仕事として着手したプロジェクトが、このディズニー・ワールドだ。
1955年にカリフォルニア州アナハイムに作ったディズニーランドの成功に気をよくした同氏は「大自然の中のテーマパーク」を実現しようとした。
フロリダ州中央部の荒れ地38平方マイルを500万ドルで買い上げ、そこに世界最大の大テーマパーク「ディズニー・ワールド」を建設してから55年。
経済発展の原動力をディズニー・ワールドに賭けたフロリダ州は、そこを「自治特別区」に指定した。
同州は、ディズニー・ワールドに特別社債発行権を与え、優遇税制の対象にしたほか、警察、消防、ガス・電気・水道サービスも隣接するオレンジ郡やオスセオラ郡から独立させた「自治体」にした。
「自治特別区」は全米では約3万5000か所、フロリダ州には1850か所ある。有名なものには、テネシー川流域開発公社(TVA)がある。
有権者は共和党35.9%、民主党35.6%
ところが、前述のLGBTQ問題をめぐってフロリダ州はディズニー・ワールドに与えていたすべての特権を剥奪すると宣言したのだ。
たかがLGBTQ問題でなぜそこまでこじれてしまったのか。地元メディアのベテラン政治ジャーナリストB氏は筆者に説明する。
「デサンティス氏の背後にはトランプ・シンパはじめ同性愛反対のエバンジェリカルズが控えている」
「フロリダ州をLGBTQに迎合的な民主党リベラルとの決戦の場にしようとしている。2024年の大統領選ではフロリダは超激戦区になる」
「現在、登録有権者数は共和党支持者35.9%、民主党35.6%(無党派は28.5%)と拮抗している」
「共和党は州政府、議会を制圧しているところから現在、着々と自分たちに有利な選挙区改正を進めている」
「同時に、共和党は政策面では、保守、リベラルが繰り広げている『カルチャー戦争』をフロリダ州に持ち込んだ」
「その具体例がLGBTQ問題だ。そのため、『公立学校の教師は、幼稚園児から小学校3年生までLGBTQについて教えるな』という法案は戦争のシンボルになってしまった」
ミレニアム世代の39%は「自分はLGBTQ」
だが、共和党支持層の中高年層に根強い反LGBTQ気運が、必ずしも全体に浸透しているかというと、そうではない。
LGBTQについては米国民の間でも年齢層で大きなギャップが生じている。
アリゾナ・クリスチャン大学の世論調査によれば、若者の3人のうち1人は「自分がLGBTQであること」を自認していると答えている。
ミレニアム世代の最年少層(18歳から24歳)に絞ると、なんと39%に達している。
ギャラップ世論調査では「自分はLGBTQだ」と答えた人は7.1%と、10年前に比べ倍増している。これは全人口に占める若者層が増えているからだ。
(https://news.gallup.com/poll/389792/lgbt-identification-ticks-up.aspx)
フロリダ州の共和党が推し進める反LGBTQキャンペーンが、選挙での票獲得にとって特効薬になるとは限らない。共和党に票を入れる若者が減る可能性は十分ありうる。
フロリダ共和党にとってはまさに賭けといってもいいかもしれない。
ディズニーは「言論の自由」盾に法廷闘争も
デサンティス氏にとって「カネよりも反LGBTQ 」をとった決断は極めて重い。
すでにディズニー・ワールド周辺の郡や市町村には大きな影響が出始めている。これまでディズニーが背負ってきた責任を肩代わりするのは地元自治体だ。
膨大な増税をしなければならない。住民の激しい反発も予想される。
デサンティス氏がより恐れているのは、ディズニーによる法廷闘争だ。
反LGBTQ法に異議を申し立てたこと自体、米憲法修正第1条に明記されている「宗教の自由、表現の自由、報道の自由、集会の自由」条項で保障されている。
これに対してこれまで州とディズニーとの間で取り交わされてきた法的取り決めを州が一方的に破棄、特権を剥奪することは憲法違反ではないのか。
ディズニーがそう主張することは十分考えられる。
ディズニーの背後には民主党リベラル派だけではなく、米政界に計り知れない影響力を持つ「ハリウッド」が控えている。
こうしたLGBTQ問題に絡んだ法廷闘争に米最高裁はどのような判断を下したか。
コロラド州のケーキメーカーが同性愛カップルにウエディングケーキを売るのを拒否したことに同州人権委員会が憲法違反だと訴えた裁判が2018年にあった。
最高裁は、宗教上の理由からLGBTQへの販売を拒否したケーキメーカーの「宗教の自由」を尊重して人権委員会の控訴を棄却している。
(https://ballotpedia.org/Masterpiece_Cakeshop_v._Colorado_Civil_Rights_Commission)
ノースイースタン大学のクラウディア・ハウプ准教授はこう指摘している。
「裁判所がディズニー・ワールドのCEOのチャペック氏の発言を法的にどう判断するかによって公判が成り立つかどうか」
「またフロリダ州がディズニー・ワールドに与えてきた特権を剥奪する理由が反LGBTQ法に直接的関係していることが立証できるのか。まだ見えない部分が多すぎる」
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(出典 news.nicovideo.jp)
・ピノキオにも出てくる「プレジャーアイランド」という名称であった。 ウォルト・ディズニー・ワールド・モノレール・システム マラソン - 毎年数回開催。先着順、約半年前に〆切)広大なディズニーワールドならではの4大ディズニーパークの間を走るフルマラソン。プリンセス、スターウォーズなどテーマが毎回変わる 29キロバイト (2,723 語) - 2022年4月28日 (木) 13:38 |
全然関係ない話をさせて下さい。「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(マーベル)」のアトラクションがディズニーワールドにできるんですか?確かにマーベルシリーズはディズニープラスで配信されており、スパイダーマン以外のマーベル作品はディズニーに権利があります。なのでアトラクションができても不思議ではないのですが、ユニバーサルにスパイダーマン、それ以外のマーベルがディズニーって何か違和感あるんですよね。スパイダーマンも買い取ればいいのに!USJからスパイダーマン消えちゃけどww
<このニュースへのネットの反応>
LGBTQが39%とか信じがたい。7%でも多すぎる。
以上、トランプを亡き者にしたいニダーというミンスのファビョりでした
バカデミー賞もそうだけど何でもかんでもポリコレ配慮するの萎えるからやめろや。古代史題材の作品なんか人種の多様性項目に引っかかって賞の選考前に撥ねられる本末転倒な状態になっとるやんけ。
最終的に裁判まで行ってくれれば面白そう。結果が気になるな。
幼児に教えないってのはまた違う話だと思うんだが、アメリカは保守も極端だな本当。そういう存在があること自体は子供でも知っておくべき。権利云々とは別だろ。
政治に宗教が絡むと面倒くさい。
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