30年経った今もスーパーファミコン『FF5』は名作と言われるのはなぜなのか?
その魅力とはいったい・・・?



 1992年12月6日にスーパーファミコンで発売された『ファイナルファンタジーV』(以下、『FF5』)は、いまや伝説のRPGといっても過言ではないだろう。

 一口に「ファイナルファンタジー」シリーズといっても作品ごとに設定・ゲームシステム・方向性などは大きく異なる。たとえば1991年に発売された『ファイナルファンタジーIV』は、ストーリー展開を重視しており、さまざまなキャラクターが物語を盛り上げていたわけだ。

 では、『FF5』の魅力はなんだろうか? もちろん本作もストーリーに注力してはいるのだが、それ以上にバトルシステムに新たなおもしろさが詰め込まれていたのである。その魅力ゆえに“やりこみ”が行われ続け、現代のゲームにもその血が流れている。

あまりにも斬新だったジョブチェンジ・アビリティシステム

「ファイナルファンタジー」シリーズは、おもしろいバトルを生み出すためにさまざまな仕掛けを用意している。最初こそターン制のコマンド選択式バトルであったが、リアルタイムに戦況が変化する「アクティブタイムバトル」を採用したり、シリーズ作品のなかには「ガンビット」と呼ばれるAIのような自動戦闘システムすら存在する。

『FF5』の特徴は「ジョブチェンジ」システムおよび「アビリティ」システムである。キャラクターがさまざまな職業に就いて特性が変わる「ジョブ」自体は『ファイナルファンタジー』から登場していたが、『FF5』ではただ状況に応じてジョブを変えるだけでなく、組み合わせによってさまざまな可能性を作り出すことができるようになったのだ。

 たとえば、「ナイト」は味方をかばうことができるジョブだが、それに回復ができる「白魔道士」のアビリティをつけると、“回復もできるナイト”が完成する。あるいは攻撃魔法が使える「黒魔道士」に白魔道士のアビリティをつけるとさまざまな魔法が使えるキャラクターになったりと、20種類以上あるジョブから多様な可能性が見出せたわけだ。

 また、ジョブごとに用意された特性も豊富。「忍者」が武器を投げると大ダメージを与えられたり、役に立たなそうなアイテムも「薬師」が調合するととてつもない効果を生み出したりと、ふつうにクリアしただけでは知るよしもない要素すら用意されているのだ。

 このジョブチェンジ・アビリティシステムはその後の「ファイナルファンタジー」シリーズにも影響を与えたし、現代でも「ブレイブリー」シリーズなどに息づいている。まさしくエポックメイキングだったわけだ。

 そして、この可能性の幅広さから多くの“やりこみ”が行われているのも『FF5』の特徴だ。

「レベル1でクリア」を可能にする戦略の多様性

 ふつうのRPGであればレベルを上げて徐々に攻略していくわけだが、『FF5』は低レベルクリアが可能になっている。強制的に経験値が入る場面もあるが、全員のレベルを一桁でクリアするプレイヤーがいるのはもちろん、レベル1のキャラクターひとりだけでクリアなんてことを達成している人もいるのだ。

 実は、これはある程度は意図された仕様である。『FF5』はボスを倒しても経験値が入らない(レベルアップしない)作りのため、わざとレベルを低くできるようになっている。そして、奥深いバトルシステムを存分に楽しめるような仕掛けが用意されているのだ。

 戦略もかなり多様で、たとえば敵の物理攻撃を避けるにしてもいろいろな方法がある。召喚獣「ゴーレム」を呼び出すといったオーソドックスな方法はもちろん、敵を暗闇状態にして攻撃が当たらないようにしたり、小人状態(ステータス異常だが回避率が上がる)のキャラクターに源氏の盾をもたせて回避率を100%にしたり、はたまた忍者のアビリティ「ぶんしん」で敵の攻撃を無効化する方法もある。

 ボスのなかにはあえて弱点が設定されているものもおり、敵を一撃で倒せる特殊な攻撃が効いてしまうボスもいる。あるいは、こちらが魔法を使って宙に浮いていると必ず「重力100」という技を使って地面に下ろしてこようとするボスがいるのだが、この性質を逆手に取り、常に宙に浮いていれば完封できるなんて戦法もある。

 つまり、敵を倒すにしてもさまざまな方法が用意されており、どれを選ぶかはプレイヤー次第。『FF5』は「さまざまなジョブやアビリティを駆使して遊んでほしい」という意図が明確に伝わってくるゲームであり、それゆえに多くの人がさまざまな形で本作をやり込んだのである。ゆえに、30年経ったいまでも遊びごたえのあるRPGといえば『FF5』の名前が挙げられるのだ。

 なお、ラストダンジョンでは「オメガ」と呼ばれるラスボスより強い存在がダンジョンを徘徊していたり、最後のほうにある宝箱から「神竜」という強いボスがいきなり出てきてプレイヤーを初見殺しの罠にハメたりと、プレイヤーを試すような仕掛けを用意しているのも『FF5』の特徴である。

『FF5』の魅力は未だに衰えていない

 現在、過去の「ファイナルファンタジー」シリーズは「ピクセルリマスター」(https://www.jp.square-enix.com/ff_pixelremaster/)というリマスター版が登場している。

『FF5』も当然発売されており、スマートフォン・PCで遊ぶことができる。移植の際にゲームバランスが変化しており、発売からかなり経っているのに新たなジョブ・アビリティの組み合わせが発見されたりもしているし、若い世代が改めて触れる良い機会になっている。

 そして、時間が経ったいま、当時の制作スタッフが新たな可能性を切り開いている。『FF5』でバトルデザインやジョブ・アビリティシステムを手掛けた伊藤裕之氏は、2021年10月に発売された『ダンジョンエンカウンターズ』(https://www.jp.square-enix.com/de/)という作品でディレクションを担当しているのだ。

『ダンジョンエンカウンターズ』は極めてシンプルなグラフィックのダンジョンを探索するRPGだが、死ぬよりも怖い理不尽な罠がたっぷりあったり、知識と経験で敵に打ち勝つバトルなど、『FF5』の尖った部分を感じさせるような内容になっている。かなりハードコアなRPGだが、興味がある方はこちらも遊んでみるといいだろう。

 RPGの魅力はストーリーやキャラクターなどさまざまだが、ことバトルに関して優れているゲームといえば、やはり『FF5』は外せない。それは30年経ったいまでも変わらないほど、衝撃的な一作だったのだ。

(渡邉 卓也)



(出典 news.nicovideo.jp)

ファイナルファンタジーシリーズ > ファイナルファンタジーV 『ファイナルファンタジーV』(ファイナルファンタジーファイブ、FINAL FANTASY V、略称: FFV、FF5ファファンVなど)は、1992年12月6日に日本のスクウェアから発売されたスーパーファミコン(SFC)用コン
175キロバイト (25,813 語) - 2022年11月29日 (火) 07:36


(筆者コメント)
ファイナルファンタジーも時代と共に進化し、いろんなことにチャレンジして来ました。当時はプレイするだけで特に考えたことはありませんが、比べるゲームが増えると「ゲームの面白さ」が詰まった作品であることに気が付きます。やり込んでもまだ楽しめるゲームが名作と呼ばれるゲームになるのだと私は思います。


<このニュースへのネットの反応>

面白いのは疑いようのない事実だけど、別に傑作でもなんでもないだろ。ロマサガと同じくバグを含めたガバガババランスゆえにやり込みネタが豊富に生まれたというだけで。必中バーサク!かばう!まもり!  ・・・はさておき「最終PTが男1女3で女が全員お姫様」とかいう今の時代にやったらなろう系認定食らうようなゲェムではあるし。やり込みプレイを基準にするなってそれいち。





つーか攻略情報というよりも解析情報=マスクデータの把握を前提にすれば面白さが広がるのは間違いないんだけど、普通にプレイしてたら一生気づかないまま終わるようなものを前提にして面白いと言われても困るんだよね。やり込みプレイ基準で評価しろというならFF8やFF12ほど面白いゲームもなかろうに、世間の評価は違う。しょせん時代(少子化前)の問題ゾ。


FF5は攻略情報なしでもEDが変わったり宝箱回収率があったり普通わかる範囲でやりこみ要素があるぞ、8とか10はゲームじゃ無くてムービーだったし


ファリスだな


面白いし大好きだけど初見全滅トラップの神龍とオメガは許さん