アニメ エヴァンゲリオンの最後には絶句してしまうのに何故ファンが多いのか?


【※以下、いまさらですが「新世紀エヴァンゲリオン(TV版)」についてのネタバレが含まれます】

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 人生29年、生まれて初めてエヴァンゲリオンのTVアニメ版を全部見ました。なお、最近まで映画館でやっていたものも含めて見たことはなく本当に初めてです。

 29年も生きてきて、なぜこんな超大作を見てこなかったのかと聞かれれば、もともとアニメはほとんど見ないし、話が陰鬱そうな感じがした(ファンの方すみません)ので、自分のようなタイプには刺さらないだろうな、という気持ちがあったからです。

 ところが実際見てみると、思っていた以上に衝撃的な展開と緻密な設定、キャラクターの深い心理描写が繰り広げられ、「えっ? 今のどういうこと?」「何で大人たち14歳のシンジくんにこんな当たり強いの?」「何で裸なの? 」などと思わず口に出してしまうほどハテナの連続。続きがどんどん気になっていき、ついに先日、TVアニメ版全26話を見終わりました。

 ここからは、筆者が「衝撃」という名のボディーブローを浴びに浴び続け、「残酷な天使のテーゼ」「魂のルフラン(Apple Musicにあった高橋洋子さんのシングルに残酷な天使のテーゼと一緒に入っていました)」をずっと聴き続けるまで脳に浸透された強烈なエヴァ視聴初体験をつづっていきたいと思います。

●そもそも、なぜ見始めたのか

 そもそも、ほとんどアニメを見ない自分がなぜ突然「エヴァンゲリオン」を見始めたのか。それは、ねとらぼ編集部に配属されたことがきっかけでした。SNSで記事の材料となる情報を探したり編集部内のチャットを見たりしていると、エヴァネタが時々出てきます。電力が逼迫(ひっぱく)する中で国から節電要請が出されると、「ヤシマ作戦」というワードがTwitterのトレンドに上がり、エヴァの話であることはツイートで分かるものの意味があまりつかめませんでした。そんな日々が過ぎていくうち、

 「Web媒体で働いているうえで、エヴァンゲリオンは見ておいた方がいいのでは……?」

 と思うようになったのです。

●第壱話、第弐話を見た衝撃

 視聴はNetflixでしました。エヴァンゲリオンは西暦2015年の話で、どうやら都市の一部が荒廃した世界のようです。第壱話冒頭、繰り広げられる軍隊と巨大な怪物「使徒」との戦いの迫力はすさまじく、早速見とれてしまいました。すげえ……。

 が、戦車やジェット機では、使徒には対抗できないようです。軍隊が破れ、戦いが一段落すると、主人公のシンジ君がミサトさんに“ネルフ本部”へ連れていかれます。

 そして、ここにきて待ちに待ったエヴァンゲリオンが登場……! しかし、ここで筆者、衝撃を受けます。

 「これ、ロボットじゃなくて人造人間だったんだ……」と。

 29年間、ずっとエヴァンゲリオンはロボットだと思っていました。だって、どう考えてもこのサイズ感とデザイン、人間じゃなくてロボットでしょ。乗り込むんだし。しかし、そんな衝撃を飲み込む間もなく、突然初対面の女性(あとで赤木リツコさんだと知る)からシンジ君は告げられます。

 「あなたが乗るのよ」

 えっ……? そんないきなりこの少年、ロボッ……間違えた人造人間に乗り込んで巨大な怪物と戦えって言われるの……? 酷すぎない? 教習場に通ったこともないのにいきなりF1出場しろって言われていけます? 死ぬでしょ?

 しかも、リツコさんや、息子を「予備」扱いするグラサン親父に畳みかけるように、さっきまで陽気だったミサトさんまで「乗りなさい」と言い出す始末。なんだこの大人たち……。

 自分が小さいころだったら違和感を覚えなかったかもしれませんが、大人になった今では、シンジ君かわいそうすぎないか……と思ってしまいました。「何でこの組織は、こんなことになる前にもっと対策しておかなかったのか」とフィクションに対して思わず突っ込んでしまいましたが、現実社会も案外こんなことばっかかも……と妙に納得してしまう部分も。なんか悲しい。

 しかも、この大人たちがズルいのは、シンジ君が乗れないと断った瞬間、代わりにけがだらけの少女をシンジくんの目の前で乗せようとするところです。そんなのないよ……。

 結局、シンジくんは乗ると決意したのですが(偉いよアンタ……)、やっぱりうまく操縦できるはずもなく、いきなりぶっ倒れました。そして、そこからは使徒にフルボッコ(これ、操縦者に直接ダメージ来る系なんだ……)。誰かシンジを助けて……。

 ただ、驚いたのはその後でした。エヴァンゲリオンが怪物みたいに暴走し始め、使徒をぶっ倒してしまったんです。「なんだこれは……」と目がかっぴらきました。漫画や特撮で暴走シーンが好きな自分は、ここでぐっと引き込まれます。しかも倒した後、頭の「兜」のようなものが取れ、中から生き物の「眼」が出てくるんです……。

 う、うおぇ……。こ、これはロボットじゃねえ……。ロボットアニメというより、怪獣特撮みたいな作品だな、これがエヴァか……。こういう作品を作ったから、庵野さんは「シン・ゴジラ」とか「シン・ウルトラマン」に関わるようになってくるのかなと思いました。

●ゲンドウ、ロリコンじゃん……。

 そこからはしばらく、「シンジくんかわいそう」心理が僕の中で渦巻いていました。大人たちに無理やりエヴァンゲリオンに乗せられ続け、転校初日にクラスメイトにぶん殴られる。大人が言うことに従い続け、目が死んでいるシンジくんを見ていると心が痛みました。

 しかも、シンジくんの父親ゲンドウは、少女の綾波レイには笑顔を見せ、綾波が危機に陥ると我を忘れて助けようとする偏愛っぷり。なんだよこいつロリコンじゃん……。シンジにその愛情を向けてやれよとイライラしました。

 その後、「シンジくんかわいそう心理」が僕の中でなくなってきて、明るい気持ちで物語を見られるようになってきたのは、第七話くらいからです。シンジくんがクラスメイトやネルフの人々となじんできて、以前から知っていたキャラクター、アスカが出てきたことで、ようやく子どもが楽しく見られるような雰囲気になってきたなと思いました。

 使徒との船上での戦いや、アスカとシンジくんの息を合わせた共闘など、次々やってくる使徒の脅威を攻略していく様子が見ていて面白く、「これは多くの人がハマるわ」と感じました。ゲンドウにシンジくんが褒められるシーンもあって、「よかったなぁ」と少しホッとしたし(その後、「父さんのさっきの言葉が聞きたくてエヴァに乗っているのかもしれない」と聞いた時はちょっと切なくなりましたが)。

●頑張れシンジ……!! 

 が、そんな雰囲気は長くは続きませんでした。第拾六話でシンジくんが使徒に飲み込まれてちょっと雲行きが怪しくなってきて、使徒に乗っ取られたエヴァ参号機からシンジくんの友人トウジが出てくるあたりで、またも「あぁ……」という気持ちに。どうして謎の巨大怪物「使徒」とエヴァンゲリオンのドキドキハラハラする戦いだけで終わってくれないのかな……。

 ただ、親に褒められたいという気持ちもあってエヴァンゲリオンに乗っていた彼が、「乗らない」と言い張ったあたりには応援したい気持ちが湧いてきました。本来ダメかもしれませんが、彼が周りの大人たちに反発したのは成長ではないかと思ったからです。その後、シンジくんが自らの意思で「僕を、この初号機に乗せてください! 」と叫んだシーンはもう感動。エヴァンゲリオンを見ていたなかで、今のところ一番好きなシーンかもしれません。頑張れシンジ……!! 

 その後、初号機は使徒にボコボコにされるものの、暴走して腕を復元。シンクロ率が400%を超え、怪物のように使徒を貪り食うシーンは、残酷でありながらワクワクして見入ってしまいました。しかも、エヴァを覆っていたよろいのようなものが、装甲板ではなく実は拘束具だったというのも少年心がそそられます。

 が、僕がこのアニメでテンションが上がったのはここまででした。そこから先は……。

●10代だった“あの時の気持ち”を思い出す

 シンクロ率が400%を超えたシンジくんがエヴァと融合したとき、改めて明らかにされた彼の心情は、「エヴァに乗れば皆が大事にしてくれる」ということ。

 苦しいこと、逃げ出したいことであったとしても、それをすることで親や友達、先生らが自分を認めてくれる、応援してくれる、期待してくれる―――。シンジくんの心理描写は、家族や学校、部活動といったコミュニティーの中にいた10代だった自分の“あの時の気持ち”を思い出させました。はぁ~~。心にグサグサと刺さり胸が締め付けられます。こういう風に、視聴者自身も共感し見入ってしまう演出がエヴァはすごいんだなと思いました。しかも、声優さんたちの演技がすごいから余計……。ん?

 「あれ、シンジくんの母親(ユイ)の声と綾波の声、一緒じゃね?」

 ゲンドウとユイの間に生まれたのが女の子だったら「レイ」にしようという会話もあり、「もしかしてゲンドウってただのロリコンじゃないんじゃ……?」と気付き始めます。後にまさかユイのクローンだと知った時の驚きたるや……。シンジもゲンドウも、ユイを失ってから関係が壊れ、ユイを今でも求め続けてしまっているのかな……。

●色んなところからパンチが飛んでくる……。

 その後、シンジくんがエヴァから戻ってきてからは、ますますメンタルがやられていきました。加持さんどっか消えちゃうし、アスカは「ハレルヤ」の音楽とともに精神崩壊。綾波は、使徒との戦いで爆散してしまいます……(その後、新たな綾波がやってきましたが)。

 そんな悲劇を、時折長いため息をつきながら見ていたら、

 唐突にゼーレに全裸で差し出されたリツコさんが出てきます。

 Zoom会議で誰も顔出ししていないのに、一人だけカメラオンにして、しかも顔どころか全裸をさらして参加しているような違和感。いや、この描写を入れた理由、少しは分かりますけども……。その後も、アスカが朽ち果てた風呂で裸になって呆けているし、いろんなところからパンチが飛んできてどんな心持ちで見ていればいいのか分からなくなってきました。

 そんな風に、「エヴァやべえ……」とどんどん心が病んでくる僕の気持ちを少し救ってくれたのは、第弐拾四話で出てきた渚カヲルくん。

 めちゃくちゃイケメンで、めちゃくちゃ良い声してるし、さわやかな感じもカッコいい。エヴァを見る前からいろんなところで見かけていたため、メインキャラクターの1人なんだろうなと考えていた人物でした。ただ、「このキャラクターが登場して少しは明るい気持ちになれたら……」と思っていたら、

 カヲルくん、1話で退場するんかあああいっ!!! 

 あんなにメインキャラクターっぽい感じでテレビとか広告に映っていたのに? 残る3話でシンジくんと一緒に最後の使徒と戦っていくストーリーを妄想していたのに? なんなら、カヲルくん自身が最後の使徒です。マジかよ……。カヲルくん、測ってみたらわずか15分ほどの登場時間です。しかも、シンジくんに殺してもらおうとするなんて……。そりゃエヴァもカヲルくんを握りつぶすまでしばらく固まるよ……(これもすごい描写でしたが)。

 もうこれ以上、自分とシンジ君に衝撃を与えないでくれ……。そう思っていた自分を待っていたのは、今までを超える一番の衝撃体験でした。

●……。

 そうして、ついに第弐拾伍話と最終話を視聴。見終わって消化できず、ちょっとたってから出てきた言葉が

 ……え?

 でした。記事の締めくくりであるはずなのに、何も書けない……。どうしたらいいんだ……。一体、自分は計46分間何を見させられてきたのか。というか46分とは思えないくらい、もうとんでもなく長い時間に感じました……。

 何が起きていたのかほとんど分かりません。ただ、どうやらずっといわれてきた「人類補完計画」とやらが起こっていたようです。にもかかわらず、なぜシンジくんはエヴァに乗らずにパイプ椅子に座っているんだ。

 乗れよ……。

 ネルフの大人たちと同じようになってしまった自分に悲しみを覚えたものの、この気持ちを消化してくれそうな旧劇場版という映画があるそうです。副編集長によると「全くの別物」ということですが、それで気持ちが整理され、ちゃんと完結されているだろうことを祈ってこのあたりで締めたいと思います。

 では最後に一言。

「魂のルフラン、どこで流れるんだぁっっ!!」(ずっと楽しみにしてた)

(エヴァンゲリオンの公式サイトより)


(出典 news.nicovideo.jp)

『新世紀エヴァンゲリオン』(しんせいきエヴァンゲリオン、Neon Genesis EVANGELION)は、GAINAX制作による日本のオリジナルテレビアニメ作品。1995年10月4日 - 1996年3月27日にかけてテレビ東京系列他で放送された。全26話。略称は「エヴァンゲリオン」、「エヴァ」、「EVA」。
176キロバイト (19,940 語) - 2022年6月12日 (日) 07:28


(筆者コメント)
アニメで観始めたのですが、最後を観て続きを見るのを止めました。コメントには同じような思いをした方がたくさんいてなぜかホッとしています。私だけではなかったのだと・・・ww

<このニュースへのネットの反応>

いや、シン見て絶句した人の方が圧倒的に多いと思うけど。いや、絶句というより失望か。





しかし、後から知った人にとっては魂のルフランも最初からあった物だったと思うのか。


旧劇場版がTVシリーズの正しい結末だと思う。人類補完計画の遂行という形でな。シンは切った。もう観てない、というかエヴァのIP引っ張りすぎだろ何十年続けるんだよ


漫画を読むのをすすめたい


確かに序中盤は結構面白かったけどこの筆者の言う通りもう後半から訳分かんねえしぶん投げエンドだし作品として公開していいレベルじゃねえと思う。何でこんな作品がこんなにファンが多いのかマジでわからん


テレビの放送って「夕方のアニメ」だったのよね。まあテレビ東京系だし


見た事がある人でも、改めて観たら絶句すると思うよ


やっぱり絵と心理描写の力だけで引っ張ってたアニメなんだよな。物語としては何も語っていない。逆に言えばあんないい加減な脚本でその後何十年も続けられるんだから凄いよね