『バイオ8』とこれまでのバイオを比較!比べて分かるゲームの進化。
『バイオハザード:インフィニット ダークネス』羽住監督とカプコンの小林プロデューサーの対談。挑戦を盛り込んだ新たな連続CGドラマ『バイオハザード』の魅力とは? - ファミ通.com 『バイオハザード:インフィニット ダークネス』羽住監督とカプコンの小林プロデューサーの対談。挑戦を盛り込んだ新たな連続CGドラマ『バイオハザード』の魅力とは? ファミ通.com (出典:ファミ通.com) |
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カプコンが贈る人気シリーズ『バイオハザード』の最新作、『バイオハザード ヴィレッジ』。ナンバリングとしては第8作に相当するが、副題は「ヴィレッジ」を採用している。本作は『バイオハザード7 レジデント イービル』(以下、バイオハザード7)の正統的な続編で、主人公のイーサン・ウィンターズがさらわれた娘を取り戻すべく、恐るべき敵が蔓延る"村"へ赴くストーリーを描いている。
バイオハザードファンを自称する私は、5月8日のリリース後、休みを使ってコツコツと本作をプレイ。途中ゲームができない日も続いたが、6月上旬にやっとの思いで本作をクリアすることに成功した。そこで、本記事ではバイオハザード ヴィレッジのクリア後レビューをお届けしたい。
一人称視点による圧倒的な没入体験
これまでのバイオハザードシリーズは三人称視点、つまり「TPS(サードパーソン・シューター)」が主流だった。主人公の姿を客観的に見ながらステージを攻略する三人称視点(TPS)に対して、バイオハザード ヴィレッジは、前作のバイオハザード7と同じく一人称視点を採用。「FPS(ファーストパーソン・シューター)」と呼ばれるもので、こちらは主人公の視点でステージを攻略する。この一人称視点が、本作の面白さを際立たせる要因となっているのだ。
一人称視点の最大のメリットは、没入感の高さにある。プレイヤーの視点と主人公の視点をリンクさせることで、迫りくる恐怖とスリルを自分の視点で疑似体験できるのだ。
本作における一人称視点を活かした演出は、前作以上のクオリティーであると感じた。冒頭の場面(詳しくは本編をプレイしてほしい)もそうだが、村を一望する場面、ドミトレスク夫人が登場する場面など見応えのあるものが多く、視線を背く隙を与えない。それぐらいに本作の没入度は高かった。そのうえ迫りくる恐怖も圧倒的で、恥ずかしながら何度も悲鳴を上げた気がする。
前作のバイオハザード7はVRによる体験を意識していたこともあり、激しい場面は控えめだった気がする。だが、バイオハザード ヴィレッジはVRでプレイしたら間違いなく酔いを誘発するような、激しい演出が盛りだくさん。まるで遊園地のアトラクションを体験しているかのような感覚だ。個人的にはVRで体験してみたいと思う瞬間も多くあった。
本作をプレイしてみて、人知を超越した敵の存在と容赦ないグロ描写、そして恐怖心を煽る演出も印象に残っている。スプラッター系ホラー映画に近いだろう。確かにバイオハザード7もノリはスプラッター系ホラー映画に近いものの、どちらかというと一歩踏み出すたびに恐怖が増す和製ホラー映画だと思われる。VRの強みを最大限発揮させたいという意図があったのかもしれない。
また、スプラッター系ホラー映画というように、本作のグロ描写はバイオハザードシリーズの中で最も強烈だった。一言で表わすと、怖くて痛い。
今回はZ指定(18歳以上対象)の「Z version」でプレイしたが、とにかく痛々しく、バイオハザード経験者の私ですら思わず目を背けてしまった。従来のバイオハザードシリーズは個人的に平気だったのだが……(個人差あり)。バイオハザードシリーズは好きだけどグロ描写への耐性が低い人は、D指定になっているノーマル版をオススメする。
バイオ流サバイバルアクションという醍醐味
バイオハザード7は純粋な「サバイバルホラー」だったのに対し、最新作のバイオハザード ヴィレッジは「サバイバルアクション」を強調した作品に仕上がっている。イメージとしては、前作はサバイバルホラーの代名詞である第1作のバイオハザードで、本作はサバイバルアクションの代名詞である『バイオハザード4』といった具合だ。
バイオハザード ヴィレッジはバイオハザード4の精神を継承した作品で、弾薬や回復薬などのアイテムをやりくりしながら、次々に襲いかかってくる敵に挑んでいく。敵を倒してお金を集め、武器や弾薬、回復薬を購入するといった流れが基本となる。だが、これはあくまでも一例にすぎず、節約するために敵を倒さずにプレイするのはもちろん、ナイフ縛りや買い物禁止縛りなど、自分なりのプレイスタイルで楽しめる。どのように本作を楽しむかはプレイヤーの自由だ。
バイオハザードといえば「ゾンビ」だが、本作には「人狼」や「魔女」といったゴシックホラー作品をモチーフにした敵が多く登場する。とくに「ライカン」と呼ばれる人狼は、序盤に登場する敵でありながらゾンビよりも獰猛かつ俊敏な動きを見せるため、かなり手強かった。ほかにも多彩な敵が登場するので、手に汗握る戦いを味わってもらいたい。あっと驚くような敵もいるが、それは本編をプレイして確かめてほしい。
私が一番気に入っている敵は、発売前のPVでも話題になった「ドミトレスク夫人」。貴婦人ながらも身長が約290cmという驚異的な体躯が特徴のボスだ(豆知識:ASCII編集部のつばさは175cm)。鋭利なかぎ爪を振るってイーサンに襲いかかってくる。高身長に加えて、冷酷非道な性格も恐ろしく、彼女に遭遇するたびに何度も鳥肌が立ってしまった。こんな貴婦人に果たして勝てるのだろうかと畏怖したものだ。ドミトレスク夫人、恐るべし……。
もう1つ気に入ったのは武器のラインアップだ。従来の「ハンドガン」「ショットガン」「マシンガン」に加えて、前作にはなかった「スナイパーライフル」「地雷」「パイプ爆弾」も登場。とくに地雷とパイプ爆弾は銃器メインの戦闘を補助する役割を持っており、生き残るうえでかなり重宝するはずだ。武器のラインアップが増えたことで戦略の幅が広がるとともに、敵を倒したいという欲も湧いてくる。トリガーハッピーやシューターが好きな人の心を刺激することだろう。
次に取り上げたいのは、ショップの概念だ。本作には、村のいたるところに「デューク」という武器商人が出没し、お金と引き換えに武器の購入や、弾薬および回復アイテムの補充、換金アイテムの売却、武器の強化が可能だ。この要素もバイオハザード4の影響を受けている。
バイオハザードの世界において、弾薬と回復薬は欠かせない存在だ。お金はステージ内に隠されていたり、敵を倒したりすると入手できるので、お金が貯まったらお買い物に励むといいだろう。また、素材を集めることで弾薬と回復薬をクラフトできる。お金だけでなく素材を集めることも大事だ。
また、攻略をするうえで、武器を強化することも大事だ。強化すればするほど戦闘が有利になるほか、弾薬の消費も抑えられるからだ。もちろん新武器を購入するのもアリ。生存確率を上げるために、どの武器を優先して強化すべきか、またはどの武器を購入すべきかを考える面白さもあった。
これらのリソースを使ってどのようにサバイブするべきか。手強いボスをどう攻略するか。バイオハザードシリーズを象徴するサバイバルホラー体験の面白さは、本作でも健在、むしろパワーアップしている。これぞバイオハザードといいたくなる出来であった。
ゴシックホラーの雰囲気が漂う「村」と「城」
本作の舞台は、東ヨーロッパの雰囲気が漂う「村」。最初は寒々とした空気感と、廃れた家屋が特徴的で、グリム童話に出てきそうな趣きがある。美しさと恐ろしさを兼ね備えており、バイオハザード ヴィレッジの名にふさわしい舞台といっていい。
従来のバイオハザードシリーズは一本道のステージだったが、本作はある種小規模なオープンワールドを採用している。カギがかかった家屋をアンロックするために、もしくは各地に隠された宝を見つけるために村を隅々まで探索することになるだろう。
もう1つの舞台である「城」も印象的だ。中世を感じさせる城も本作を象徴するステージで、内装はどことなく第1作のバイオハザードを彷彿とさせる懐かしさがあった。
敵との遭遇はもちろんのこと、アイテムを使ってギミックを解除したり、ちょっとした謎解きを解くなど、バイオハザードシリーズならではの遊びも用意している。城を探索していると、なんとなくだがバイオハザードシリーズという故郷に帰ってきたような錯覚を覚えた。
シリーズ史上最も衝撃的なストーリー
最も気になるストーリーについても軽く触れておこう。冒頭でも述べたが、バイオハザード7の主人公だったイーサン・ウィンターズがさらわれた娘・ローズ(ローズマリー・ウィンターズ)を救うべく、謎の村へ赴くといった内容だ。
目的は愛する娘を救うことだが、その裏に隠された事実の数々に衝撃を受け、鳥肌が立ってしまった。同時に、バイオハザードシリーズにしてはかなり攻め入った内容であると感じた。視覚的にも精神的にもショッキングなものが多く、人によっては心を痛めるかもしれない。ただでさえグロイのに、まさかストーリーもグロイとは……。詳しくは説明できないが、次々と明かされる事実に対して、とてつもないショックを受けることになるだろう。
また、シリーズでおなじみの名物キャラクターである「クリス・レッドフィールド」も登場し、プレイヤーをストーリーの渦へと引きこむ役割を果たしている。発売当初のPVでは、クリス・レッドフィールドが闇落ちしたと話題だった。多くの事件を解決へと導いてきたクリスがなぜそんなことをしたのか。バイオハザードシリーズのファンとして最も気になったのはそこだった。
今回の事件にはクリス・レッドフィールドが裏で絡んでいて、主人公と対立する立場であるように描かれていた。クリスの不可解な行動の意味を探ることもまた、プレイヤーを衝撃のエンディングへと導くきっかけになっている。
娘をさらった理由やクリスの存在などの謎が新たな謎を生み、終盤ですべての謎が明らかになる展開はさすがの一言。映画さながらのストーリーテリングに引き込まれ、謎が判明するたびに思わず唸ってしまった。ゲームにあまり興味がない人でも、映画を観ているような感覚で楽しめるはずだ。ネタバレになるので詳細は控えるが、本作のエンディングはシリーズ史上最も忘れられない出来であった。
満足度高めのシリーズ最新作!
私は、スタンダード(ノーマル相当)の難易度で本作をプレイした。1周目は、探索を控えめにストーリーのクリアを目指して進めた結果、8時間39分でエンディングに到達。じっくり探索していればおそらく10時間以上かかったと思われるが、それでもボリュームは多めで、満足度は高かった。久々に濃厚なバイオハザード時間、いわば"バイオ時間"を過ごせたと感じている。ありがとう、バイオハザード。
これまで数多くのバイオハザード作品をプレイしてきたが、最新作のバイオハザード ヴィレッジは5本指に入るほどの秀作だった。一人称視点を活かした演出、終始目が釘付けになるストーリー、手に汗握るサバイバルアクションなど、遊び応えのあるタイトルに仕上がっていた。
さらに、本編クリア後には、シリーズ恒例のゲームモード「ザ・マーセナリーズ」がプレイできるようになる。本編をクリアしたらそこで終わりではないのが一番うれしく感じた点だ。
また、バイオハザード ヴィレッジ購入者は、今夏にサービス開始予定のオンライン専用タイトル『バイオハザード RE:バース』が無料で遊べるようになっている。こちらも楽しみで仕方がない。家にこもってバイオハザードシリーズを遊び尽くしたい人は、ぜひバイオハザード ヴィレッジをプレイしてほしい。
【ゲーム情報】
タイトル:バイオハザード ヴィレッジ(英文表記:BIOHAZARD VILLAGE)
ジャンル:サバイバルホラー
販売:カプコン
プラットフォーム:PlayStation 5/PlayStation 4/Xbox Series X/Xbox One/PC(Steam)
発売日:2021年5月8日(発売中)
価格:
[パッケージ版]
通常版:8789円
コレクターズ エディション:3万1669円
※パッケージ版はPlayStation 5/PlayStation 4のみ発売
[ダウンロード版]
通常版:7990円
デラックス エディション:8990円 ※PC版のみ9103円
バイオハザード ヴィレッジ&バイオハザード7 コンプリートバンドル:9990円
トラウマパック(別売DLC):1300円
プレイ人数:1人
CERO:「D」(17才以上対象)
※同時発売の「Zバージョン」は「Z」(18才以上のみ対象)
©CAPCOM CO., LTD. 2021 ALL RIGHTS RESERVED.

筆者コメント
主人公イーサンは最後残念でしたが、娘はちゃんと助けることが出来ました。今後は特殊能力を持った娘が主人公となり、話が進むのでしょうね。次回作が待ち遠しいです。
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